幸神社は御所の東北隅の梨木通を北へ(約200m)突き当たったところに祀られています。もともとは現在の地より300m北東の賀茂川の畔に祀られていた道祖神で出雲路幸神と呼ばれていました。主祭神は猿田彦神で交通安全の神として信仰されてきました。この地は平安京(御所)の鬼門にあたります。道祖神は道を通って外から襲来する疫神や悪霊を塞(さえぎ)る神で,サエノカミ-サイノカミと言われるようになりました。鬼門を守る神として崇敬されるところから本殿の東側には御幣を肩にした日吉山王の神使である猿の木像が安置され、境内の東北隅には猿田彦神石があります。
御祭神は、多紀理比売命(たきりひめのみこと)、多岐都比売命(たぎつひめのみこと)、市寸島比売命(いちきしまひめのみこと)の御三姫で、総称して宗像大神と言います。別の御名を道主貴(みちぬしのむち)と言われます。京都御苑内、御所の西南(裏鬼門)の地に祀られており、延暦14年(平安京創立の翌年)、後の太政大臣藤原冬嗣公が桓武天皇の命によって、皇居鎮護の神として祀られたのが始めです。